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皆さんは「重ね煮」という言葉をご存知でしょうか?初めて耳にする方も、少なくないと思います。
前回投稿の【猛暑に負けない!】たった3種のスパイスで作る☆ずぼらスパイスカレー☆をご覧いただいた方は、炒めない・具材を切って鍋で煮るだけの「ずぼらスパイスカレー」の作り方に驚かれたかもしれません。
実はこの「ずぼらスパイスカレー」は、友人から教えてもらった「重ね煮」という調理法を自己流で応用したものなんです😆
もともと、手の込んだ料理が得意ではなく、できるだけ手間をかけずに美味しくて身体にいいものを食べたいワタシにとって、友人から教えてもらった「重ね煮」という調理法はとっても性に合っていました♪
そして、「薬膳検定1級/アーユルヴェーダ・スパイス検定1級」を通して食養生の勉強をする中で、重ね煮という調理法で薬膳の効能を意識した料理をよく作るようになりました。
この投稿では、薬膳の魅力とも共通するところのある「重ね煮」という調理法の魅力についてご紹介したいと思います。
重ね煮とは?

まずはじめに「重ね煮」とは、
✅古代中国の自然哲学である陰陽論から確立された調理法のことをいいます。
森羅万象、宇宙のありとあらゆる物は陰と陽で成り立っていると考える陰陽論では、食材も、ワタシ達の身体も、陰陽の要素があると考えられています。
そしてこの陰陽バランスが極端に偏ると、身体に様々な不調をきたすと言われています。
陰と陽は季節や昼夜を通して絶えず変化し続けていますが、どちらかに偏ることなく、バランスの取れた状態、すなわち中庸(ちゅうよう)が理想です。
ワタシ達の身体を中庸(ちゅうよう)の状態に近づけるため、
食材のもつ力を引き出し、陰陽バランスを中庸に整える調理法が「重ね煮」なのです。
陰陽論についてもう少し詳しくお知りになりたい方は、こちらの関連記事がお役に立つかもしれません☟😌
重ね煮の歴史

重ね煮は、
✅戦後間もない1947年に長崎県の食養家・故小川法慶先生によって考案されました。
小川先生は、料理が自然界と人間をつなぐものであると考えられていました。
戦後の食糧不足の時代に、手に入る食材の力を最大限に引き出し、人の身体に取り入れるための食養生を目的に考案されたのが「重ね煮」です。
その後、梅崎和子先生をはじめとする多くの料理研究家が「重ね煮」の魅力を提唱し、料理教室が開催されたりレシピ本が市場に出回り、家庭料理として普及していきました。
薬膳は古代中国で生まれた食養生の考え方ですが、「陰陽論」や「医食同源」をもとに日本の家庭料理として普及した重ね煮には共通する魅力があると感じます😌
【押さえておきたい】重ね煮4つの基本ルール
食材を重ねる順番
まず、「重ね煮」という名前のとおり、押さえておきたい基本ルールの大前提が食材を重ねる順番です。
食材が持つ陰陽の力を最大限に引き出すため、食材は、陰性から陽性の順番で鍋の中に重ねていきます。
陰性の食材は身体を冷やす特徴があり、大地から天に向かって伸びていく性質があると言われています。
・具体的には、キャベツや白菜などの葉物類・トマトやナスなどの果物類です🥬🍅🍆
陽性の食材は身体を温める特徴があり、大地から下に向かって伸びていく性質があると言われています。
・具体的には、イモ類やネギ類など、土の下へと成長する野菜類です🍠🥔🧅
重ね煮では、陰性の食材を下から順に、陽性の食材へと重ねていき、火にかけて煮ることで陰陽のエネルギーが調和し、「中庸」の世界が生まれると考えられています。
鍋の中が「中庸」の状態になると、食材が持つ本来の旨味が最大限に引き出され、丸みのある優しい味になるのです。
まるで、、、
鍋の中の小宇宙💫
ですね🥹
ただしどんな食材を調理する時も、
✅一番下に置くのは「キノコ類・海藻類」です。
重ね煮は無水調理ではありません。水と一緒に加熱することで、食材の調和を促し、旨味を引き出してくれます。
そのため、水分量の多いキノコ類・海藻類は調和を促し中庸の状態へ導くための食材として、一番下に配置するのです。
作りたい料理の材料を、こちら☟の絵を参考に重ねていけば、「重ね煮」の順番はバッチリですよ💖

誘い水で蒸し煮にして「じっと」待つ

「重ね煮」は無水調理ではありません。水と一緒に加熱することで、食材の調和を促し、旨味を引き出します。
これを「誘い水」というのですが、食材から出る水分と誘い水が融合して中庸の状態を引き出すために、鍋の蓋はしっかりと閉じた状態で蒸し煮にします。
⚠️この時、蓋を開けて中を覗いたり、食材を混ぜる必要はありません。アク取りも不要です⚠️
鍋の中の小宇宙が火を加えられて中庸に導かれるのを、
じっと待つ・・・
のみです😆
また、蓋を開けずに調理することで、調理時間の短縮にもなります!!(←ここ、ワタシにはとっても嬉しい手抜きポイントです🤭)
料理のレシピによっても多少差がありますが、だいたいの調理時間は最初の3~4分は中火で、鍋から湯気が出てきたら弱火にして噴きこぼれないように蒸し煮にします🍲
砂糖不使用・油控えめ・ダシ不要
「重ね煮」と聞くと煮物を連想させ、日本の家庭料理の定番調味料である砂糖・醤油・酒・みりんの味がよく染み込むように、しっかり煮込むイメージを持たれる方もいるかもしれません。
ですが、重ね煮は食材の持ち味を最大限に引き出す調理法です。
食材には本来、五味が備わっています。重ね煮による陰陽調和は、この五味を引き出してくれるため、こだわりの調味料をふんだんに使う必要はありません。いわゆる味の●などの化学調味料や出汁(だし)も使いません。
とりわけ、
✽「甘味」は野菜からも十分に引き出されるため、砂糖を加えないのが重ね煮の大きな特徴です。
✽食材を炒める工程がないため、油もほとんど使用しません。
ごま油やエゴマ油など、風味を楽しむために完成した料理に回しかける程度に使うのがおススメです👌
とってもヘルシーで、カロリーも抑えられますね✨
主に使う調味料は、塩・醤油・酒・みりん・味噌などですが、
✽塩は食材を重ねた後、煮込む前にパラリと振りかける、肉魚類に揉みこむ、といった使い方が多いです。
✽味噌は食材を重ねた後、最も陽性な食材として1番上に乗せて蒸し煮にすることで調和が進むとされています。(先入れ)
反対に、
✽醤油やみりん・酒類などの液体調味料は、蒸し煮にした後、食材の五味が最大限に引き出された状態で、最後に味を整える程度に入れます。(後入れ)
ワタシがお味噌汁を作る時の常識は、「食材が煮えたら最後に火を止めて味噌を溶く」でしたので、重ね煮の先入れ調理には驚きました😮
食材の皮むきは不要!
「重ね煮」4つ目のポイントは、野菜などの食材は皮むき不要!ということです😮
野菜の皮と実の間は栄養と旨味が一番豊富に含まれています。
戦後食糧不足の時代に、食材の栄養を最大限に取り入れるために小川先生が考案された「重ね煮」では、食材を丸ごと、皮をむかずに使うことを推奨しています。

ニンジンの皮は美味しくないニャ!

ジャガイモの皮が残ってたら気にならないかニャ?

大丈夫!ニンジンもジャガイモも皮付きで美味しく煮えるんだよ♪
皮ごと調理・アク取り不要の料理なんて・・・ビックリしますよね👀
初めて聞いた時は耳を疑いましたが、これが不思議と、皮むき・アク取りをせずに重ね煮をしたお味噌汁や豚汁は丸みのある優しい味になるんです✨
まさに鍋の中の小宇宙、自然界の中庸バランスが取れた料理に仕上がります。
ワタシは有機野菜や低農薬野菜が手に入った時は、迷わず皮をむかずに調理しています!
残留農薬が気になる時は皮むきをすることもありますが・・・
なるべく、丸ごと使える安心な食材を選びたいですね🤗
そして何より、皮むき不要の重ね煮は、忙しい時の強い味方の時短調理だと思います😆
陰陽調和の重ね煮で「薬膳」も気軽に楽しもう

古代中国の自然哲学である陰陽論から確立された日本の家庭料理である「重ね煮」。
冒頭にもご紹介した「ずぼらスパイスカレー」が、実は重ね煮の手軽さを応用して作っていたのをご理解いただけたのではないでしょうか🤭
食材の力を最大限に引き出し、ワタシ達の身体を中庸(ちゅうよう)に導いてくれる重ね煮は、忙しい日常の食事だけでなく、離乳食や介護食、病気療養中の食事など幅広く応用することができます。
ワタシが特にお気に入りでよく作るのは、お味噌汁やスープなどの汁物やカレーです。
スープやルーの中に食材本来の美味しさが溶け出して、切って・重ねて・火にかけて・じっと待つだけの簡単調理なのに、本当にほんとうに美味しくできるんです🥹
重ね煮は、薬膳の基本となる「五味五性」を意識して食材を選べば、気軽に食養生をご家庭で取り入れることができます🍲
皆さんもお気に入りのレシピを見つけて、毎日の食事に重ね煮で作る「ゆる薬膳」を取り入れてみてはいかがでしょうか🤗
関連記事①(☞【薬膳の基本】食物の五味五性を知る)
関連記事②(☞【薬膳の基本】五味は五臓六腑に働きかける)
重ね煮のより詳しいコツや、様々なレシピ本も出版されています。
ワタシが友人から薦められて活用したレシピ本を、ご参考までに紹介させていただきます。
重ね煮に興味を持たれた方には、最初の1冊におススメですよ😊
重ね煮の提唱者である梅崎和子先生の教えを引き継がれた、日本重ね煮協会・代表田島恵先生の著書です。大人も子供も一緒に美味しくいただける、ひとつ鍋で作る重ね煮料理が多く紹介されています。強く不調に負けない身体作りのヒントが詰まった、忙しいママにもぴったりの1冊です♪
重ね煮料理研究家、調理師・栄養士である戸練ミナ先生のレシピ本です。主菜から副菜、汁物、酒肴からスイーツまで、重ね煮メニューがとにかく豊富!我が家で重宝している1冊です♪
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